当Webの通常ネタがそもそもマニアックすぎるせいか、電工2種(第二種電気工事士)の合格報告のページへのアクセス比率が高いです(ネタに対する人口比率の違いですかね?)。
おそらくこのような資格を取りに行く方々の9割ぐらいは、仕事で必要であったり、専門学校の授業の一環であったりと、非常にまじめな理由であって、当サイトのようなDIY目的の趣味で取得される方は超少数派と思います。
が、残り1割(推定)の同志と、あわよくば本筋の9割の方々のツボ抑えのために、多少なりとも参考なればと思いますので、低コストでの合格体験記を書いておきます。
ただ、当サイトも本当に運よく受かっただけなので、就職などで本当に資格の必要な方は、王道でまっとうな勉強をしてください。
当サイトがなぜ「低コスト」と言い切るかというと、技能試験用の組み立て練習を殆どしていないからです。つまり練習セットを買っていませんし、試験時間と同等な練習時間も割いていません。
普段別の仕事を持っていて、普段は深夜に少ししかプライベート時間が無いような人でも効率よく準備すれば少ない労力と出費で資格が取れる可能性がありますよという事例としたいと思います。
年に一回しか受験できない資格ですので、くれぐれも本当に資格の必要な方はマネしないでくださいね。本当に運がよかっただけなので(それでも、まっとうな受験生の重要ポイントの紹介にはなるかも)。
それでは、DIY派の人への低コスト合格のための紹介を。
<DIY派の為の資格取得のススメ>
電工系の部品はホームセンターで普通に売られているのでDIY派の人はうっかりすると、法律を知らないまま違法に工事してしまいがちですし、なにより中途半端な知識での施工は火災や感電などの危険があります(まあ自身の軽い感電程度の経験は優良科学少年には必要ですが、他人を巻き込んだ事故は洒落になりません)。
そういった意味で周辺知識を正しく身につけておくことは有意義です(たとえ自分で工事しなくても知識は宝です)。
是非、生活に身近な電工系の知識を身につけ、あわよくば免許取得してDIYの幅を広げましょう。
<事前注意>
「一種」は実務経験がないと免状申請ができないので資格マニア系は要注意。
また、試験は年に2回ありますが、申し込みはどちらか一方しかないのでご注意ください。年に一回しか受験出来ません。
受験費用は9,300円、免状申請が5,200円(県によって違うかも)なので、趣味で取りに行くには結構な出費ですので覚悟の程を。 一方で、ちょっとした工事(コンセントの変更とか、100V<=>200V変更とか)でも、電気屋さんに出張してもらうと近い額を取られますので考え方次第かと。
<筆記試験>
まず筆記試験ですが。私はテキスト本買っちゃいましたが、あとで知ったところによると合格ラインは6割正解だそうです。マークシートで6割合えばよいだけなら、理系出身のDIY志向のリーマンならWebで過去問題をあさるだけでも何とかなると思います。高校物理程度の電気回路に対する基礎知識である程度稼げますので、残りは過去問題などを十分漁っておけば何とかなるレベルとは思います。
逆に言うと4割は間違えてもいいわけで、例えそれが「それ知らない人間が工事しちゃダメだろ!」っていうクリティカルな問題であっても合格できちゃいます(他人のことは言えないが)。
実際、今まで自宅の家電設置で、いろいろな工事をいろんな電気屋さんにお願いしてきた経験上、工事士の方々のレベルも本当にピンキリと思います。いい人にいい仕事をしていただき、正当な対価を気持ちよく払えるようにするには、本職で無いユーザー側にも最低限の知識を持っている人間が増えることが望ましいと思っています。
<技能試験>
技能試験があるのが、なかなかDIY派資格マニアをワクワクさせてくれます(実際楽しかったです)。ただし、時間が非常に短いのが課題です。
[事前勉強]
DIY派の人はえてして事前に勉強に充てることのできる時間も少ないですので、技能であっても机上勉強は重要です。
ここでなにより覚えておくことは「何が重大欠陥になにるか」だけです。軽微欠陥は2つまで許してくれるので、逆に「この程度はOK」の指標として覚えちゃいましょう。時間内に組み立てさえすれば、後は採点基準上の重大欠陥さえなければ減点出来ません。採点する試験管の気持ちを逆手に取りましょう。ここさえ抑えておけば試験中考えることは他に無いといっても過言ではないです。
たとえばこちらがとても参考になります。
[工具]
DIY派の人だとそもそも結構いろいろ工具持っていたりすると思います。その中で非常に高い確率で買い増しする可能性があるのは圧着ペンチではないかと思います。
ただ、試験中の利用率は低いので、規格に適合していれば何でもいいので安いものを買いましょう。
あと、私の買ったテキストではワイヤーストリッパーの購入を強く勧めていました。2万もするようなものはさすがに買えないのでナイフだけで行くつもりでしたが、直前にへたれて HOZANのP-956(5千円程度) を 買ってしまいました。
確かに便利なのですが、切込みを入れた後半開きにしてから抜くなどの、コツを掴まないと逆にワイヤーを傷つけて重大欠陥を作ってしまうので考え物です(新しいシリーズは半開きに戻しやすいスプリングが付いてるらしいですが)。
[事前練習]
私は家に転がっていたVVFケーブルで、わっかの作り方を練習して、その後P-956を語っときに傷をつけない剥く方法の2つだけトータルで30分ぐらい練習しました。
小さい子供もいて危なくて家ではあんまり練習できないというのもありまして。
で、主に行った練習はイメージトレーニングです。
これめちゃくちゃ重要です。
というか、殆どこれだけで合格できました。
今の電工二種の試験では候補問題が事前に公表されます。それぞれをどう作るかざっと頭でイメトレしておくのです。
これにはトータルで1時間以上の時間を割きました。とはいえ1問5分ぐらいでも完成形をそれぞれ描いておけば本番迷うことはありません。
[本番]
候補問題が事前公開されているので、一回見ておけば、配られた部品見れば問題がどれか事前にわかります(問題用紙の2ページ目の配線図も透けて見えるし)。
ただ、イメージトレーニング派は試験時の部品自体始めて触るという暴挙ぶりなので、事前の員数チェック時に穴が開くほど眺めましょう。ゲージの付いている器具はその位置なども要チェックです。
とにかく時間が短いのが課題です。重大欠陥さえ避ければOKですのでガンガン組み立てましょう。
私の場合、端子台が長さに含まれるのを知らずに、ケーブルの長さが足りないとウダウダ考えて時間ぎりぎりになってしまいましたが、ケーブルの長さなんか誤差50%までOKなので、ぶっちゃけ必要な本数だけ確認して目分量でばっさり切るぐらいの方が良いです。
あとは闇雲にケーブルをガツガツ切って、ガツガツ繋いでいくを繰り返せば、いつのまにやら完成です。
螺子の類を力いっぱいしっかり締めておく、その他、圧着マークなど重大欠陥のチェックだけできて、自分なりにOKならまあいけると思います。
なんだかんだで、技能試験の合格率も60~70%らしいので、「組み立ててしまうこと」と「思いつく限りの重大欠陥をチェックすること」ができれば高い確率で大丈夫と思ってよいでしょう。(組み立てが間に合わない人も多いので)。
それでは、もしこのページを読んで受験する人がいるとしたら幸運を祈ります。
なお、このページは、「確実に合格すること」ではなく、「いかに楽して運よく合格を狙うか」というテーマなので、落ちても責任は持てませんので悪しからず。